ボクと教授の20年のここが面白い!感想・評価
新しく生まれてきた子どもはもちろん家族ですし、飼い始めた犬や猫も家族ですが、また出産の何たるかも知らない猫ちゃんにとって見れば、急に家族の一員として加わる赤ちゃんはまだ他人であり、もっと言えば自分の立ち位置を脅かす「厄介な相手」であるのかも知れません。
本作では、そんなリアルな「猫心理」に踏み込みつつ、他者である猫と赤ちゃんが距離を徐々に縮めて彼女になり、そして大人になり独り立ちしていく彼を見送るといった描写もある、感動的な一作です。
犬と赤ちゃんの成長を書いた作品もありますが、猫ちゃんの方が若干寿命が長いためかより「その先」までが描写されており、またより結びつきが強い感じでもあると言えます。
日常ものの一環とも言えますが、単なるギャグで終わっていないところには確かな筆力を感じることができましたし、最後まで飼い続けるということは結局悲しい思いとも避けられないといった強い思いを感じることもできました。
今までペットを飼い続けていた方、また飼おうとしている方にもオススメの一作です。
読者の口コミ【レビュー・評判】
●ペンネーム: ゴリラ
猫の主観で描かれるこの漫画の虜になってしまいました。
半年前に捨てられて、子猫の状態で拾われた主人公の猫。
最初は優しい夫婦と猫だけの3人暮らしでしたが、その夫婦の母親のお腹の中には、赤ちゃんがいて、その赤ちゃんが生まれた状態からストーリーは展開していきます。
もっと自分に注目して欲しい、猫の教授ですが、どうしても飼い主である夫婦の注目は、赤ちゃんになってしまいます。
もっと自分に注目して欲しいので、様々なアピールを猫の主人公の教授はしますが、なかなか注目してくれません。
そんな猫の切ない気持ちと、赤ちゃんに対する、ライバル心が、とてもよく分かる漫画となっています。
この漫画を読んでいて、自然と主人公の猫である、教授に感情移入してしまっている私がいました。
猫は、話すことは出来ないですが、もしかしたら、この主人公の猫の、教授のように、人間と生活しているのかもしれないなと、思わせてくれる内容となっています。私もまた、猫を飼いたくなりました。