八男って、それはないでしょう！のここが面白い！感想・評価
出世から復讐まで、転生者の目的も様々ですが、本作のヴェルは実に王道かつ正道な形を保って、その時代に合った生き方を選んでいます。
冒険者学校の楽しさや、クラスメイトたちとの若者らしいやり取り、そして胸躍る冒険や逸話の数々など、王道系ファンタジー作品に必要なエッセンスがぎゅっと凝縮して盛り込まれている上に、転生者であるためヴェルの性格も温和かつ大人であり、実に安心して作品を読み進めていくことができました。
タイトルにもありますが、一見して雲の上の存在であり実際に希少な貴族たちではあるものの、三女だったり五男だったり、ましてやヴェルのように八男だったりすると、財産分けなどにもあずかれず、放っておくと困窮一直線になってしまうなど、リアルな中世から近代までのヨーロッパの「貴族たち」の実情を描いています。
不死者にも様々な種類があり、その中で切ないストーリーを盛り込んでいるなど、非常に骨組みがしっかりして分厚い物語を楽しんでいけたのも大満足のポイントでしたね。
読者の口コミ【レビュー・評判】
●ペンネーム： ライオネル
数多くある異世界転生物語の中でも王道中の王道というべきストーリーで、誰が読んでも面白いと思えるチート主人公な内容でした。
主人公となるのは、日本人男性の転生体である貧乏騎士爵の8男であるヴェルです。
彼は、チートの代名詞ともいえる魔法の大天才であり、ストーリーのはじめからその天才ぶりを読者に見せてくれます。
学校の友人と狩を行っている最中に、後にパーティを組むことになる同級生の女の子達が狼の群れに襲われているのを発見すると、身体強化やスピードアップの魔法を駆使して急いで駆け付け、土魔法を自在に操って壁を作ったり、槍を大量に作って狼を串刺しにしたりして助け出します。
ヴェルが地味なイメージのある土魔法を華麗に駆使してヒロインを助けるシーンには興奮しました。
とくに、狼を土魔法の大量の槍で助けるシーンです。
大人気アニメキャラクターの必殺技を彷彿とさせるものであり、アニメ好きにはたまらない豪快な無双シーンでした。
そして、ヴェルのアンデッドな師匠です。
この漫画の原作小説を読んでいた頃から気になっていたアンデッドの一種である歩き死人の師匠ですが、イメージしていたのとは全く違う神々しい美しい姿をしている事に驚きました。
正直、このヴェルの魔法の師匠であるアルフレッドをイラストで見られただけでも漫画版も見てよかったと思えるほどに素晴らしい仕上がりになっていました。
●ペンネーム： ペンギン
せっかく異世界に転生したと思いきや、主人公が転生したのは辺境の地。
一応騎士様の家で貴族ではあるのですが、周辺は田舎ですし何と言っても八男。
貧乏な家で、食事もパンに驚くくらい薄いスープ。
このままでは駄目だと思い、最短での独立を目指して冒険者予備校に通い始めます。
主人公の名前はヴェル。どこかクールそうな見た目ですが、人当たりは良くて何と言ってもイケメンです。
結構ショタっぽい感じの見た目ですね。
予備校には特待生として合格。同じように将来家を継げない五男など貧乏貴族の息子達も通っています。
授業費は免除でも、生活費は自分で稼がなければなりません。
それぞれ特待生になるには理由があるのですが、ヴェルの場合は魔法での特待生。
1000人に1人くらいしかマトモな魔法を使うことが出来ない世界なのでチートですね。
もちろんモテますし、主人公オーラもバッチリ。
逆境にありながらも自分で道を切り開いていこうとする姿勢に、とても好感が持てる主人公です。
●ペンネーム： sin118
こちらの漫画は「小説家になろう」時代から毎週更新が楽しみにしていた作品でした。
比較的早い段階から始まる成り上がり話で、ご都合主義といいますか、都合のいい事件（ドラゴン襲来や新しい遺跡の発見）等が頻繁に起こり、わかりやすい形で成功を収めるサクセスストーリで読みやすい物語と思いました。
途中から加わる嫁が多くてまた名前が似ているキャラも何人かいましたが、それぞれ灰汁の強いキャラ設定をしており、後半になっても最初から出ている2人とか、正妻とか大食い幼女とかもちゃんと出番があり、後半の嫁達も比較的魔法使いが増えますが、面白味があるキャラで、とくに個人的におススメはブリーザードの「リサ」でした。
化粧を落とすと性格が変わり大人しくなり、またアマーリエ姉さんとやり取りがまた癒されるので、早くやり取りが見たいです。
また、10巻に描かれた師匠越えは見ごたえがある場面でした。
戦っている3人がそれぞれ関係があり、それぞれが因縁を超えた戦いはとても面白かったです。
まだまだ先は続きますが、早く新刊が出てほしい作品の一つです。
