しばたベーカリーのここが面白い！感想・評価
普通のペットとしてはもちろんですが、現実世界では有り得ない活躍の仕方をしてワンちゃんたちが頑張っている姿が見られるのが漫画の醍醐味ですね。
しかし本作はまたひと味違い、何とどこからどう見ても柴犬ですが人の言葉を喋れる「柴田さん」が開業したパン屋さんで奮闘するという物語です。
柴田さん一家は見た目こそ柴ですが、中身はかなり落ち着いた人間ですので、無駄に商品に手をつけるようなこともなく、着実に仕事をするパン屋さんとして商店街でも受け入れられていますが、結構色々なことを言う割にまったく表情を変えずミステリアスなところもあります。
このご時世に個人店を開業するのは簡単ではなく、脱サラし独立する段階での決意や、思わぬ競合店の登場といったイベントも目白押しですが、人間臭いストーリーの重さを愛らしい姿がうまく緩和している感じでもあります。
ワンちゃんが好きな方にはもちろん、各地のご当地ゆるキャラが好きで、彼らが本気で仕事をしているのが見たいと思っている方にもオススメできますね。
読者の口コミ【レビュー・評判】
●ペンネーム： ワンワン店主
しばたベーカリーは１巻の１ページ目から大爆笑してしまいます。
明らかに毛がフサフサで人語を喋る以外は犬要素しかない二足歩行の犬なのに、「犬顔」であるだけと言って犬ではないと主張をするオッサン犬の主人公がいます。
しかも、脱サラしてパン屋を開いたから「負け犬根性」で頑張るなどと寒いギャグを言います。
この主人公には家族がおり、奥さんに逃げられた為に母親不在の子供が寂しい思いをしています。
そんな子供を慰めるために、「ちょっと奥さん、ウチのフランスパンは固さも大きさも自慢だよ。
まぁ旦那さんのフランスパンには敵いませんけど。はっはっは」と下品なギャグをいいます。
そこに子供から、「そりゃ母ちゃんめ逃げるわ」と容赦ないツッコミが入ります。
そんなツッコミを受けて、返す言葉もなくフランスパンを持ちながら俯いてしまったオッサン犬な主人公がとても面白かったです。
また、主人公のパン屋の隣に米屋がオープンしました。
米屋の人がパン屋に挨拶に来たとき、主人公はカウンターで寝ていたのですが、米屋は店内に犬が紛れ込んでいると間違えてはたきで叩いてしまい、自分の間違いだと知った米屋は慌ててあやまります。
それを受けて主人公は、「店主が犬でごめんなさい。いや犬じゃないけど」と相変わらず犬でしかない姿で犬じゃないアピールをします。
この漫画にとってはお馴染みのギャグですが、やはり、鉄板ネタなだけあって面白いです。
●ペンネーム： さくり
どう見ても柴犬なのに、犬顔ですからと言ってみる、しばたベーカリーの店主がかわいいのに台詞がおっさん臭くてそのギャップがユニークである、犬のパン屋さんということで、お客さんも動物なのかなと思ったら、お客さんは人間という、ユニークなストーリーとなっています。
突拍子もないような設定ですが、人間のようにパン屋の店主をしている姿がなぜかツボに入ります。
息子もいて、その息子とのやり取りも人間らしいのに、実は犬という状態にクスッとさせられます。
本当に犬が店主のパン屋さんがあったら毎日でも通いたくなると思ったり、でも犬は毛だらけだからパンは毛だらけだったら嫌だなとリアルに考えてしまったり、犬のパン屋サンについてリアルにイメージをしてしまいました。
ユニークなだけではなく、人間ドラマなどややシリアスなシーンもあるため、ただのギャグ漫画ではなく、ストーリーも楽しむことが出来る内容となっています。
序盤から学生とのやり取りに注目です。
●ペンネーム： おかみず
表紙に描かれている可愛い柴犬の絵をみて、柴犬のパン屋さんだなんて、なんだかメルヘンで可愛い漫画だなと思いました。
しかし、実際に漫画を読んでみると想像とは全く違う内容だったので、少し驚きました。
主人公のしばたさんはどこからどう見ても柴犬なのに、柴犬ではないと言い張ります。
また、脱サラをしてパン屋さんを始めたという事、奥さんに逃げられ息子と二人暮らしである事、なんだかとってもリアルな設定です。
初めはどこからどう見ても柴犬でしょう！とツッコミを入れていたのですが、読み進めていると不思議な事に、しばたさんが柴犬ではなく、ちょっと冴えないパン屋のおじさんに見えてきます。
前の職場の同僚に見せた、夢を語る顔、父親として息子を思う顔、全て柴犬の顔なのですが、すごくリアルな表情が伝わってきます。
この不思議な感覚が読んでいてとても楽しいです。店内にはいつもぎゅうぎゅうにパンが並べられています。
ひとつひとつ丁寧に描かれていて、どのパンも美味しそうです。
柴犬のパン屋さんなんて見たことないのですが、読み進めているうちに、本当にどこかにしばたベーカリーがあるのではないか？そんな気持ちになります。
