夜の世界は美しいのここが面白い！感想・評価
「夜の世界は美しい」は、とても摩訶不思議な物語で、考えさせられる内容です。
主人公のさおりと、その弟の悟との姉弟の物語です。
さおりは男性が苦手で、弟は病院で入院しており、体はかなりやせ細ってしまいます。
悟が描く奇妙な不気味な絵、その絵は悟が毎晩見ている夢だという。
ある日病院からいなくなった悟を探し、さおりは家族で昔行った事のある神社を思い出し、神社に向かいます。
その神社の中に入ると足元の床が抜け異世界の世界に入り込んでしまいます。
さおりが辿り着いた場所は、まさに異世界であり、悟が描く不気味な絵その物の世界でした。
元の世界に戻る事も出来ないので、さおりはその世界でキャバ嬢として働き、悟もこの世界にいると信じて探し出す物語です。
男性が苦手だったさおりは、色んな人と接触していく内に大きく成長していきます。
作者が伝えたいメッセージが沢山込められているように見えるこの作品、最後の展開にはとても驚きました。
元の世界に戻る時に協力してくれた男性が、実は自分たちの実のお兄さんだった事。
もう既に亡くなっているお兄さんが最後二人を元の世界に戻したのでした。
想像次第で、色んな解釈ができるのも、この作品の魅力の一つです。
二人がいた世界が謎だらけなのも、ミステリアスで面白いです。
読者の口コミ【レビュー・評判】
●ペンネーム： センリ
人気の男子と付き合い、女子にいじめられて男性恐怖症になってしまった主人公がどんな風に活躍するのかが楽しみで、掲載当時毎週見ていました。
現実世界でいなくなった弟を探すために異世界に落ち、みんなに怖がられるクラーケンに自分を重ね、改心させた主人公や顔を食べる化物に対抗する主人公を見てこんなにも人は変われるんだなと思いました。
主人公にはもともと気付く能力、いわゆる観察眼がすごく、その部分を異世界のキャバクラにて発揮させます。
異世界に染まっていっても目的を思い出し、変わっていった肌の色も元の色を取り戻したりと、話が進むにつれて成長を見せてくれます。
最初の話の頃の主人公は何処に行ったのかと思えるほどの強さで、とてもかっこよく見えます。
弟を見つけ、キャバクラに落ちてサポートしてくれた男子は自分の兄で、手伝ってもらいながら紅から逃げていくのは兄弟愛を感じました。
兄は残念でしたが、現実世界に姉弟で帰ることは出来、兄のことも覚えていてくれてとても嬉しかったです。
二人には現実世界でずっと笑ってほしいなと思っています。
また、私も主人公のような強さが欲しいと思わされた作品でした。
●ペンネーム： アレックス
読み始めと特に惹かれず、結構グロテスクなシーンも出てきましたが、著者の画力は高く、重要なシーンでは惹きつけられるものが多くありました。
ホラー、心理学要素等、一部のマニアには相当好きでハマる作品だと思います。
序盤からおもっ苦しい話が多いんですが、背景の絵などを見るとキレイでオリジナリティある魅力的なものが非常に多く、アニメ化したらかなり良い映像ができるんじゃないかな～と思いました。
この部分は特質すべきところだと考えていますし、そこは非常に期待してみていました。
まあただ、好き嫌いは別れる作品ですね。ストーリー自体は万人受けする内容にはなっていない、ちょっとマニアックな部分も多い作品なので、そこまで面白さは無いし、私は背景には感動しましたが、中盤にかけては最初の頃の勢いがなくなって盛り上がりに欠けたストーリーになってしまったのは残念でした。
やはり一度流れが悪くなるとなかなか元に戻すのは難しいか？
●ペンネーム： ゆみり
とにかくテーマが面白いです。
最近の異世界ものとはタイトルの雰囲気も違いますが、中も全然違う感じ。
特に1話はかなり暗めです。
正直、ダークなお話は苦手なので閉じようかと思ったのですが、不思議と引き込まれるような魅力があるんですよね。
主人公は活発な雰囲気で可愛い感じの女の子。
しかし、極度の男性恐怖症なんです。
それも、目の前に男性がいたらすぐに逃げてしまうくらい。
この漫画はこういう、陰と陽のような対比が面白い作品だと思います。
例えば、主人公が落ちることになった異世界のお店は、かなり厳しいルールがありますし世界観はすごく暗いです。
しかし、だからこそ主人公の頑張りがすごく光ると言うか。
可愛いし、応援したいし、時に共感する。
本当に魅力的な主人公だと思います。
この漫画は異世界で女子高生がホステスになる、と簡単に言ってしまえばこういう内容なので、あらすじだけで敬遠してしまう方もいるのが残念ですね。
実際にダークで美しくて繊細な漫画なので、もっと多くの方に読んで頂けたらと思います。
