乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…のここが面白い！感想・評価
異世界転生も様々ですが、冒険者や一般人などに転生するケースが多くを占める中、身分の高い令嬢に転生するという物語は斬新です。
しかし、令嬢になったと言えども完全な「悪役」であり、物語の関係上追放か死が待っているために何とかそれを回避しなければならないという縛りはかなりキツく、大事にされている令嬢ということで、満足に体を鍛えることもままならないなど、行動上の制約が多いのも面白いところでした。
一方、異世界生活の開始から相当の時間が経っており、しかも相手がプログラムではなく「人間」なため、どうなるかの予想がつきにくいです。
舞台になるゲームの詳細を熟知していてもチートにならないといった「難易度調整」の絶妙さも面白く、他の分からないことが多いから難しい異世界ものとは一味違うという印象を抱くことができました。
とは言え、本作の主人公カタリナはかなり前向きであり、「行動指針」があるとは言え、それを差し引いても正義感が強く爽やかで魅力的なので、初見のインパクトだけでなく、一気に読み進めることができました。
読者の口コミ【レビュー・評判】
●ペンネーム： junmeg
主人公が子供の頃に転んで前世を思い出して、自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生した、というところまではよくある設定だなと思いました。
一番面白かったのは主人公がほっかむりをして畑を作り続けるところです。
初めはなぜほっかむり？と突っ込んでしまいました。
主人公があまり賢い人ではないという設定でも帽子でいいのではと思いました。
しかも若くして亡くなったという前世の記憶があるならなおさら若い女の子はほっかむりなんてしない、と序盤は思いました。
けれど、何度もそのシーンが出てくるうちにほっかむりだったから、回りのキャラクターが影響されてしまい、最後にはほっかむりが好きになりました。
おバカな主人公ですが、おバカだからこそ問わず人にまっすぐ向き合う姿勢が男女問わず惹き付けるキャラクターです。
本当に前世の記憶があるのかと思うぐらい行動がはっちゃけてますが、そこがまた魅力的です。
女性の登場人物までも、これでもかというくらい惹き付けてしまうおバカで可愛い主人公が、何より読むに従いかわいくなっていってしまうお話だと思います。
●ペンネーム： 辺境伯令嬢
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢という、かなり殺伐とした立ち位置のキャラクターを主人公にしているのに、とてもほのぼのとしているところが好き。
女同士のバトルもなければ、政治や商売に関わる駆け引きもなく、皆仲良く平和に学園生活を楽しんでいるので安心して見ていられる。
主人公が裏表のないいい子なので、イライラすることもなく応援できる。本来ならトラウマを抱えたまま思春期を迎えるはずのキャラクターたちを、幼い頃に癒やしてしまう、という筋書きである点も、主人公の作戦が成功する度に｢良かったね｣と素直に喜べていい。
主人公が悪役令嬢であるため、ゲームにおいて主人公だったキャラクターを敵に回してしまったとしても全くおかしくないのだけれど、この作品ではそんなこともなく仲良くしているところが好き。
女性キャラクターがみんな可愛らしいところが好き。
タイプの違う美少女が複数人一緒にいるので見た目が華やかだし、年頃の女の子たちが和気藹々としている様は見ていて楽しい。
美貌と家柄と尊ぶべき性質を併せ持った美少女たちと仲のいい主人公が素直にうらやましくなる。
●ペンネーム： みか
絵が綺麗で美男美女ばかりだったので読み始めたのですが、とにかく主人公を中心にキャラが濃くて面白いです。
転生物ってゲームの主人公に転生するものが多いですが、逆に敵になるキャラに転生してしまったので、破滅エンドを回避しようと必死になっている主人公がなんだか可愛いらしいのです。
小さい主人公がたくさん出てきて脳内会議をしたり、令嬢という立場なのに破滅エンド後の第2の人生のために農業を始めてみたりと「そんな発想する？」とついクスクス笑ってしまいます。
そしていつのまにか、そんな天然な主人公を見守るキャラ達は主人公役が登場しても全然恋に落ちようとしなくなっているのです。
主人公が面白すぎるのでしょうね。
そんなことにも気付かずに、破滅エンドを回避するために一生懸命に策を練っている主人公がもう愛しくなってきます。
私がこの乙女ゲーをプレイすることになったら、悪役が皆に愛されすぎて攻略できる気がしないし、もしかして主人公のこっちが悪役なの？と思ってしまいそうですね。
どの話も平和で楽しそうで、思わず「私も転生したい！」と思ってしまう漫画です。
